入札を経て、条件を満たす製品として選定されたIvantiは、2021年4月からの利用開始に向けて約2カ月で導入作業が進められた。
「今回は、新規端末への導入ではなく既存端末への入れ替えだったので移行に工夫が必要でした。マニュアルを作成し、導入がうまくできない人にはリモートで対応しました。コロナ禍もあり、Ivantiの導入で私たちがサポートを受けるのもフルリモートでした。Ivantiからは、ビデオ会議を活用し実機を画面で共有しながらリモートでもしっかりとポイントを押さえた提案やサポートが受けられたと感じています」とセキュリティ関係部署担当職員は導入した当時を振り返る。
展開には、国研法人のモバイル端末の使用用途を考え400台程度を対象に大きく3つのセキュリティポリシーを設定することになった。研究所でのペーパーレス会議などを行う事務利用向けのほか、屋外での記録などを主体としたフィールドノート利用向け、IoTやAndroidのアプリ開発で利用するための開発用ポリシーをそれぞれ設定した。
「モバイルデバイスをフィールドワークで活用するエンドユーザーは、短時間でロックがかかるのは困る、アプリを開発するエンドユーザーならデバック環境が必要となるなど、エンドユーザーの要望は用途によって変わります。かと言って、使用用途ごとに端末を一括調達することは調達体制の制約もあり難しく、柔軟に対応できるものが必要でした。そこで、デバイス単位ではなく人(ユーザー)に紐付くポリシー設定が可能で、設定もスムーズに行えるIvanti Neurons for MDMは国研法人のニーズにマッチしていると思いました。」と国研法人のサイバーセキュリティマネージャーは語る。
エンドユーザーのITリテラシーにばらつきがあること、利用端末が多彩であり特にAndroid端末は機種によって画面構成が異なるため画一的なマニュアルでは説明しにくいことなどから、紙媒体でのマニュアル配布だけでなく動画による操作方法を加えた。動画では見えない細かな部分を紙資料で補足したうえで、必要に応じてエンドユーザーとのリモート会議を利用したサポートを行うことで短期間での既存端末への展開を無事に成し遂げた。