Windows 10には、ユーザーを戸惑わせ、場合によってはイライラさせるような、馴染みのない新インターフェースが採用されています。事実、Dimensional Researchが最近実施した調査では、Windows 10を早い段階で導入したユーザーの約3分の1が、インターフェースに戸惑ったことが明らかとなっています。Edgeブラウザ、Cortana、WindowsストアなどのWindows 10の新機能は、ユーザーの混乱を招いているだけでなくセキュリティの問題もあり、これらが移行の障害となっています。

Windows 10導入の大きな理由の一つが、ハードウェアの買い換えです。Windows 7または8.1対応の新品PCを入手することはどんどん難しくなっており、Windows 10の導入対策ができていないIT部門は、古い機器を買いだめしておくか、もしくはサポートが終了したWindowsの古いバージョンが入っているPCを受け入れるしかありません。

さらに、Windows 10には1年に2回のリリースサイクルが導入されており、IT部門はユーザーの混乱やアプリケーションの互換性の問題発生を最小限にするため、集中管理する必要があります。

最後に、Windowsプラットフォームでの継続的なアーキテクチャの変更によって、IT部門はユーザーとワークスペースを管理するための現行の体制を見直し、Windows 10のエンドポイントに存在する課題に対応するための取り組みを再検討しなければなりません。

1.ローミングプロファイル

ローミングプロファイルには、社内の別のエンドポイントにログオンした場合に、ユーザーがいつも利用している個人設定を利用できることを保証するため長年Windowsの機能として提供されてきた歴史がありますが、常になんらかの課題が伴う機能であるという事実があります。

まず、ローミングプロファイルには容量増加の影響を受けやすいというデメリットがあります。ユーザーが自分のデスクトップをパーソナライズし、ログオフすると、ユーザーのローミングプロファイルの一部として、レジストリやファイルの設定に加えられた変更がネットワークに保存されます。ユーザーによる変更が増えるほど、ローミングプロファイルの容量は膨大になります。

ユーザーがログオンすると、ネットワーク全体にわたって、このユーザーのローミングプロファイルを読み込む必要が生じます。容量が膨大なローミングプロファイルはネットワークの読み込みに時間がかかるため、必然的にログオンに時間がかかることになります。Windows 7では一般的なローミングプロファイルの容量は25~50MBでした。ところがWindows 10で一般的なローミングプロファイルの容量は約160MBにもおよびます。しかも、この容量はユーザーがパーソナライズする前の初期容量です。時間の経過と共にプロファイルが膨れ上がり、ログオンにかかる時間が長くなり、ユーザーの生産性の低下やイライラにつながります。

また、容量の大きいローミングプロファイルは、保存する際に壊れやすいという傾向があります。これは、ユーザーのデータや生産性の損失はもちろん、バックアップして設定を復元するIT部門のスタッフの時間の損失にもつながります。

そして、Windowsの更新プログラムはさらに状況を複雑化し、問題を生みます。ユーザーが自分の仕事をこなすため、様々なデバイスやプラットフォーム、オペレーティングシステムを導入したハイブリッドなコンピューター環境は、今では一般的になっています。例えば、Windows 7には、Windows XP環境で作成されたローミングプロファイルが期待通りに機能しないv2プロファイルが導入され、個人設定を移行しようとするユーザーは問題を抱えることになりました。Windows 10の最初のリリースではv6プロファイルが提供されており、上記のような状況が新しいWindowsがリリースされる度に発生しています。

Windows 10の各機能のアップデートは、アニバーサリーエディションのように、新しいプロファイルバージョンに対応する可能性があります。1年に2回新機能のリリースが行われるため、ローミングプロファイルのサポートは複雑かつ費用のかかる取り組みとなるでしょう。

2.フォルダーリダイレクト

IT部門は、ユーザーが接続するエンドポイントデバイスに関わらず、自分のファイルやフォルダーへのアクセスを保証するため、フォルダーリダイレクトを導入しています。フォルダーリダイレクトは、ネットワーク上の集約化された場所にファイルやフォルダーを保存することで、ユーザーのローカルエンドポイントから、デスクトップ、ドキュメント、お気に入りなどの一般的なプロファイルフォルダーにアクセスすることを可能にします。またフォルダーリダイレクトは、通常ユーザーが自分のエンドポイントのローカルにデータを保存することで生じるデータ分散を防ぐことにも役立ちます。

フォルダーリダイレクトは、企業のファイアウォール内にある安全に保護されたオンプレミスのエンドポイントデバイスに対して十分に機能します。ただし、オフプレミスのユーザーがエンドポイントデバイス経由でアクセスできないユーザーファイルが含まれるオンプレミス環境の場合、フォルダーリダイレクトが問題となる場合があります。この問題は、ユーザーが特定のリソースへのアクセス権を取得するために企業のファイアウォールを「くぐり抜ける」ことを可能にする仮想プライベートネットワーク(VPN)を使用することで解決できる場合があります。ただし、VPNの使用はユーザーエクスペリエンスを低下させる可能性があるため、ユーザーの不満やITサポートチケットの増加につながる可能性があります。

3.オフラインファイル

Windowsのオフラインファイル機能は、オンプレミスのファイル共有からユーザーのファイルとフォルダーをローカルのエンドポイントデバイスに同期することで、ユーザーがオフラインでの作業中にローカルでアクセスすることを可能にします。オフラインファイルのテクノロジーはWindows XPで初めて導入されましたが、Windows10においても大きな変更はありません。

オフラインファイルが同期の問題を引き起こし、ユーザーが自分のデータにアクセスできなくなることがあります。例えば、ユーザーのファイルのキャッシュが暗号化されていて、ユーザーがパスワードを変更すると、キャッシュされたオフラインファイルは無効になります。また、ユーザーが分散ファイルシステム(DFS)を導入している場合、オフラインのファイルはうまく機能しません。ユーザーがオフライン状態になると、DFSにより個別のブランチパスではなく、ツリーパス全体が変更されるため、必要なデータよりはるかに多くのデータ同期が必要になってしまいます。

接続速度が遅く、サーバーに大きな負荷がかかっている場合、ユーザーへのファイル提供が実質的に停止され、ユーザーの不満、生産性の低下、ITサポートチケットの増加につながります。また、ファイルサーバー上でユーザーの権限が適切に設定されていない場合、さらに多くの同期の問題が生じる可能性があります。

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